至福の山コーヒー入門:第4回「環境編」

「最高の景色の中で、最高の一杯を。その時間を、次の世代へも繋いでいくために。」

全4回にわたってお届けしてきた『至福の山コーヒー入門』も、いよいよ今回が最終回です。これまでに道具選びや美味しい淹れ方を学んできましたが、最後に避けては通れない、そして最も大切なテーマについてお話しします。

それは、山というフィールドを守るための「マナーと環境への配慮」です。私たちが大好きなこの場所を汚さず、スマートにコーヒーを楽しむための嗜みを一緒に確認していきましょう。


コーヒーの「残り液」はどうするべき?

飲みきれなかったコーヒーや、器具をゆすいだ後の汚水。「自然のものだから」と考えて地面に流してしまいそうになりますが、実はこれはNGです。

なぜなら、山の土壌や水質は非常にデリケートであり、コーヒーに含まれる成分や油分が、微細な生態系に影響を与えてしまう可能性があるからです。

したがって、飲み残しは必ず自分で飲みきるか、密閉できるボトルに入れて持ち帰るのが山の鉄則です。

使用済みの「コーヒー粉」と「ペーパー」の処理

ドリップした後のコーヒー粉は水分を含んで重くなってしまいます。しかし、そのまま山に捨てることは絶対に避けなければなりません。

おすすめの持ち帰り方:

厚手のチャック付きポリ袋(ジップロック等)を二重にして用意しましょう。そうすることで、液漏れや匂い漏れを防ぎ、ザックの中を汚さずに持ち帰ることができます。また、消臭効果のあるゴミ袋を活用するのも、帰りの道のりを快適にする一つの工夫です。

火器の使用ルールを守る


▲ 写真のような便利なシングルバーナーですが、使用する際は必ずその場所が「火気OK」かを確認しましょう。安定した平らな場所を選び、周囲に燃えやすいものがないように注意を払うことが大切です。

バーナーを使ってお湯を沸かす際、まず確認すべきはその場所が「火気厳禁」ではないかどうかです。

国立公園や特定の保護区、または乾燥した時期の低山などでは、火の使用が制限されている場所が少なくありません。
万が一、不注意で火災を起こしてしまえば、取り返しのつかないことになります。事前に自治体や山小屋の情報をチェックし、ルールが不明な場合は、保温ボトルにお湯を入れて持参するスタイルに切り替えましょう。

おわりに:山とコーヒーの心地よい関係

「来た時よりも美しく」という言葉は、登山の世界で古くから大切にされてきました。つまり、私たちがマナーを守ることは、単なる義務ではなく、素晴らしい体験をさせてくれる山への「感謝の印」でもあるのです。

一杯のコーヒーを通じて、山をもっと好きになる。そして、その山を大切に想う気持ちが広まっていく。そんな素敵なサイクルが、これからも続いていくことを願っています。

「山コーヒー入門」はいかがでしたでしょうか?
道具を揃え、豆を選び、風を感じながら淹れる。そのすべての過程が、あなたの登山をより豊かにしてくれるはずです。

次は、あなたが山で見つけた「最高の一杯」を教えてくださいね。

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