コーヒー精製方法 一覧&解説

① ウォッシュド(Washed/水洗式)
方法:果肉を除去後、水で発酵させ、粘液質を洗い流してから乾燥。
風味:クリーンで酸味が明るく、雑味が少ない。
例:ケニア、グアテマラ、エチオピア(ウォッシュド)
向いている人:爽やかで透明感のある味が好きな方

② ナチュラル(Natural/非水洗式)
方法:チェリーのまま天日干し。果肉が乾燥後に脱殻。
風味:甘味と果実感が豊か。ややワイルド。
例:エチオピア、ブラジル
向いている人:フルーティーで個性的な味が好きな方

③ スマトラ式(Giling Basah/ウェットハル方式)
方法:半乾きの状態で脱殻。その後乾燥。
風味:アーシー(大地のような風味)、スパイシー、重厚なコク。
例:インドネシア(マンデリン、アチェなど)
向いている人:深煎り派、苦味や重厚感が好きな方

ハニー(Honey/ハニープロセス)
方法:果肉は除去するが、粘液質を残したまま乾燥。
風味:甘味と酸味のバランスが良く、まろやか。
バリエーション:イエローハニー(さっぱり)
レッドハニー(中間)
ブラックハニー(濃厚)
例:コスタリカなど
向いている人:ナチュラルとウォッシュドの良いとこ取りが好きな方

⑤アナエロビック(Anaerobic/嫌気性発酵)
方法:酸素を遮断した密閉タンクでチェリーを発酵。
風味:酸味が強く、スパイシーや発酵感が出る。とても個性的。
例:コロンビア、パナマなどの高品質農園
向いている人:ワインのような複雑さを楽しみたい方

⑥ カーボニックマセレーション(Carbonic Maceration)
方法:ワイン製法を応用。チェリーごとタンクで炭酸ガス発酵。
風味:フローラル、ベリー感、香水のような華やかさ。
例:パナマ・ゲイシャなどの高級豆
向いている人:エレガントな香りや繊細な風味が好きな方

⑦ スマートウォッシュド/エコパルプド(Eco-pulped)
方法:機械で粘液質を効率的に除去し、水の使用量を抑える。
風味:ウォッシュドに近いが、ややまろやか。
例:中南米の環境配慮型農園
向いている人:クリーンで優しい味が好き+環境意識の高い方

比較まとめ表

製法名味の傾向特徴的な産地キーワード
ウォッシュド明るい酸味、透明感ケニア、グアテマラ、エチオピアクリーン、爽やか
ナチュラル果実味、甘さブラジルエチオピアフルーティー、ワイルド
ハニーバランス、まろやかコスタリカ甘味と酸味の調和
アナエロビック複雑、発酵感コロンビア、パナマスパイシー、エキゾチック
カーボニックマセレーションフローラル、華やかパナマ・ゲイシャなどワイン、香り、高級感
スマトラ式重厚、土っぽさインドネシア(マンデリン)アーシー、フルボディ
スマートウォッシュドクリーン、やさしい味中南米各地環境配慮、安定品質