九州の屋根で、氷の上に立つ。そこには冬だけに許された、秘密のカフェ

「九州の屋根で、氷の上に立つ。そこには冬だけに許された、秘密のカフェがありました。」

冬のくじゅう連山において、多くのハイカーが特別な想いで目指す場所があります。それは、標高約1,700mに位置する火口湖、「御池(おいけ)」です。

特にこの時期は、久住山、中岳、そして天狗ヶ城という名峰に囲まれたこの池が完全に凍結し、神秘的なコバルトブルーの氷原へと姿を変えます。

今回は、この「氷の上」で味わう究極のコーヒー体験をご紹介します。


三座に抱かれた「天然の氷上カフェ」

牧ノ戸峠から雪の稜線を歩き、御池に辿り着くと、まずその静寂と美しさに圧倒されるでしょう。

目の前には久住山と中岳がそびえ立ち、背後には天狗ヶ城の荒々しい岩肌が迫ります。まさに三座の懐に抱かれているような安心感の中で、贅沢なドリップタイムが始まります。

氷の上でコーヒーを淹れるコツ

完全結氷した御池の上は、平坦でドリップには最適の場所です。

しかし、冬のくじゅうは爆風が吹き抜けることも多いため、バーナーの火力を守るウインドスクリーンは欠かせません。

また、氷の冷たさはガス缶のドロップダウン(火力低下)を招きます。そのため、ガス缶を直接氷に置かず、小さなウッドボードや断熱材を敷くのが、お湯を素早く沸かすための大切なポイントです。

氷の上でゆっくりと立ち上る湯気を見つめていると、マイナス気温の中にいることさえ忘れてしまいます。

 

▲ 御池を囲む久住山・中岳の絶景とともに美味しいコーヒーはいかがでしょう。

冬のくじゅうを歩くための必須装備

氷上の景色を楽しむためには、まず足元の安全が第一です。御池の表面は非常に滑りやすいため、チェーンスパイクや軽アイゼンを必ず装着しましょう。

さらに、氷の上で立ち止まると足裏から熱が逃げていきます。したがって、厚手のソックスや防寒靴でしっかりと足元を固めておくことが、快適なコーヒータイムを過ごすための条件となります。

マナーとして、氷を汚さないようゴミの持ち帰りを徹底するのはもちろんのこと、ゆすいだ後の水もすべてボトルに回収して帰りましょう。

この記事を読んだ方へのおすすめ

御池でコーヒーを淹れた後は、ぜひ中岳山頂まで足を伸ばしてみてください。そこからは阿蘇五岳や祖母・傾連山まで見渡せる大パノラマが待っています。冬のくじゅうが持つ本物の美しさを、五感すべてで感じていただければ幸いです。

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