連載:山で飲む一杯|第1回

山で飲むコーヒーは、なぜあんなに美味しいのか

登山が好きな人なら、一度は感じたことがあると思います。
「家で飲むより、正直めちゃくちゃ美味しく感じるな」って。

でも、あれは気のせいじゃありません。
山で飲むコーヒーは、味覚的にも感覚的にも、ちゃんと理由があって美味しいんです。


山では、感覚が自然と開いている

登山中は、知らず知らずのうちに五感が研ぎ澄まされます。

  • 風の音
  • 木々の匂い
  • 足元の感触
  • 少し上がった息

そんな状態でザックから道具を取り出し、お湯を沸かす。
たったそれだけで、時間の流れが変わるんですよね。
きつすぎて時間がとまればいいと思うこともありますが(;^_^A


コーヒーを淹れる行為そのものが贅沢になる

山では、何でも簡単にはできません。
水も限られているし、風が吹けば火も安定しない。アルプスなどの高山では、火も付きにくいですしね。

だからこそ、一杯のコーヒーを淹れる行為に自然と集中します。

豆を挽く音。
お湯を注いだ瞬間の香り。
立ち上る湯気。

この一連の流れが、そのまま「ご褒美」になるんです。


のぼろに寄稿していた頃、いつも意識していたこと

西日本新聞社編集の登山専門誌「のぼろ」に登山記録を寄稿していた頃、
僕が大事にしていたのは「標高」や「距離」よりも、

・どんな空気だったか
・どんな時間が流れていたか

山の魅力は、スペックじゃありません。
その場で感じた時間や感情こそが、本質だと思っています。

コーヒーも、まったく同じです。


山で飲んでちょうどいいコーヒー

山では、派手な味はいりません。

  • 酸味が尖りすぎない
  • 苦味が重すぎない
  • 冷めても美味しい

これは焙煎するとき、かなり意識しているポイントです。特に山ではすぐ冷めちゃいますからね。

家で飲むコーヒーと、山で飲むコーヒー。
同じ豆でも、求められるバランスは少し違います。


次回予告

次回は、
「山で使うドリッパー、結局どれが正解なのか?」
についてお話しします。

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